ロック 【lock】 ロッキング / locking
概要
ロック(lock)とは、錠(を掛ける)、錠前という意味の英単語。ドアなどを鍵(key)無しでは開閉できないようにする部品のことだが、ITの分野では比喩的に、機器やソフトウェア、データなどを一定の条件に基づいて操作・変更できないよう保護する仕組みを指す。同期機構のロック
ソフトウェアの排他制御の仕組みの一つで、ファイルへの書き込みや周辺機器の操作などを行う際に、他からのアクセスを一時的に禁止する方式をロックという。
並行して複数のプログラムなどが動作している場合に、データや機器の状態の整合性を保つために行われる。対象を利用するプロセスはまず他からのアクセスを禁じるロック処理を行い、対象の状態を変更する。変更が終わったらロックを解除して他のプロセスへ開放する。
これにより、データの書き込み中に他のプロセスの書き込みが重なって内容が破損したり、書き換え途上の内容が読み取られたり、周辺機器に一貫性のない命令が送信されることを避けることができる。
ただし、二つのプロセスが二つの対象を同じタイミングで取り扱うような場合に、両者が互いに相手方がロックしている資源の開放を待ってしまい、いつまでも処理が進まない状態に陥る場合がある。これを「デッドロック」(deadlock)という。
機器のロック
スマートフォンなどの情報機器で、一定の条件が満たされるまで操作を受け付けないようにするオペレーティングシステム(OS)の機能をロックということがある。
通常の操作が行えないロック画面が表示され、利用者は特定の操作を行わなければ操作画面に戻ることができない。単に画面の特定箇所のタッチやスワイプなどで解除される設定になっていることもあるが、利用者認証が必要な設定の場合には、パスコードの入力や生体認証などを行い、本人であることが確認できない限りロックは解除されない。
(2019.10.8更新)