ベータ版 【beta version】 β版 / 試用版 / ベータバージョン / ベータリリース / beta release / βリリース

概要

ベータ版(beta version)とは、ソフトウェアの正式版(製品版)を発売・配布する前に試用のために提供される、開発途上のテスト版のこと。ベータ版を実際に使ってみて不具合や不適切な箇所がないか利用者に評価してもらうテストのことを「ベータテスト」(beta testing)という。近年ではネットサービスなどについても正式サービス開始前に提供される試行サービスをベータ版という場合がある。

ベータ版は主に正式版の完成直前に作成され、正式版とほとんど同じように動作する。既存製品の利用者や広く一般から募った希望者などに無償あるいは安価で提供され、実際に使ってもらう。利用者の目線で機能や性能、使い勝手などを評価してもらう。

機能的には完成品に近いが開発途上の状態であるため、プログラムの誤り(バグ)や誤作動などの問題や、未完成あるいは低品質の箇所が含まれることがある。利用者からの報告を受けて修正作業をい、品質を向上させたものが正式版となる。

原則として評価のために暫定的に提供されるもので、永続的に使用することは想定されておらず、サポートアップグレードなども提供されないことが多い。あらかじめ試用期間や使用期限が設定され、期限になると起動できなくなるものや、ファイルの保存など一部の機能が使用できない状態で提供されるものもある。

ベータ版よりも前の段階で、仕様や機能などが完全に固まっていない段階で利用者の意見や要望を募るために提供されるテスト版のことは「アルファ版」(alpha version/α版)ということがある。ベータテストの後にさらに「リリース候補版」(RCRelease Candidate)などが提供される場合もある。

オープンベータとクローズドベータ

利用者を広く一般に募って提供されるものを「オープンベータ」(open beta)という。一般の希望者あるいは抽選の当選者などに無償あるいは手数料程度の安価でベータ版を提供し、試用してもらう。ゲームなどでは消費者の認知度を高めるためのマーケティングキャンペーンを兼ねる場合もある。

一方、対応製品の開発者や既存顧客、開発元の指名した関係者など、限られた範囲にのみ提供されるものを「クローズドベータ」(closed beta)という。「旧版の登録利用者」「大口の法人顧客」など、開発者が製品と関わりが深いと判断した限られた関係者のみが入手し、試すことができる。

最初に限られた範囲でクローズドベータテストい、機能面や性能面での改良を進め、安定してきたところでオープンベータテストに移行してバグフィックスや最終調整をい完成させる、といった使い分けがわれることもある。

(2024.2.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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