コンフリクト【conflict】
概要

コンピュータシステムでは、複数のハードウェア機器やソフトウェアがメモリ領域やI/Oポート、割り込み要求などの有限な資源を同時に占有しようとするとコンフリクトが発生する。どちらか一方の動作が妨げられたり、システム全体が不安定になったりする。現代的なオペレーティングシステム(OS)では資源の割り当てを自動で調停する仕組みが一般的だが、設定の重複や古い機材との組み合わせによっては生じることがある。
プログラミングの分野では、複数のライブラリやモジュールが同一の名前空間やクラス名、変数名、関数名などを定義しているために識別できなくなる状態をコンフリクトと呼ぶことがある。プログラムがどちらを呼び出すべきか判別できなくなり、コンパイルエラーや予期せぬ誤動作を引き起こす。依存関係にあるライブラリが要求するバージョンの違いによって共存できなくなる場合は、特に「バージョンコンフリクト」(version conflict)と呼ばれる。
データベースやファイルシステムでは、同じレコードやファイルに対して複数の更新処理が同時に行われるとコンフリクトが発生する。データの整合性が損なわれるおそれがあるため、多くのシステムではロック機構やトランザクション制御によって競合を検出し、一方の処理を待機させるか失敗として扱う。Gitなどのバージョン管理システム(VCS)でも、複数の開発者が同じファイルの同じ箇所を別々に変更してマージできない状態をコンフリクトという。自動的に統合できないと判断された場合は、どの変更を採用するかを利用者が手動で確認・修正して解消しなければならない。
(2026.6.7更新)