MITライセンス【MIT License】

概要

MITライセンス（MIT License）とは、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際によく用いられる、利用条件などを定めた利用許諾契約書(ライセンス)の一つ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のソフトウェア開発プロジェクトで考案された。

MITライセンスの規定はシンプルで、ソフトウェアを自由に扱って良いこと、再頒布時に著作権表示とライセンス表示を含めること、作者や著作権者はいかなる責任も負わないことを定めている。ライセンス本文に替えてMITライセンスが掲載されたWebページのURLを記載する場合もある。

MITライセンスで公開されたプログラムを改変したり、自らのプログラムに組み込んだ派生的（二次的）な著作物は、ソースコードを公開せずに販売・配布したり、MITライセンスとは異なるライセンス（独占的なライセンスを含む）で提供することができる。

GPL（GNU General Public License）など「コピーレフト」（copyleft）条項のあるライセンスではこうした行為は禁じられており、派生著作物のソースコードも同じライセンスで公開しなければならない。これを避けるためMITライセンスを採用する開発者も多い。

MITライセンスは1980年代にマサチューセッツ工科大学（MIT：Massachusetts Institute of Technology）で「X Windows System」（X11）などの開発・配布のために考案された。「Xライセンス」（X Lcense）あるいは「X11 ライセンス」（X11 License）と呼ばれることもある。

カリフォルニア大学バークレー校の「BSD」（Barkeley Software Distribution）プロジェクトで考案された「BSDライセンス」（BSD License）に影響受けており、似た構成の「Apacheライセンス」（Apache License）などとともに「BSD スタイル」と総称されることもある。

(2024.1.17更新)