デコーダ【decoder】

概要

デコーダとは、一定の規則に基づいて符号化されたデータを、符号化時とは逆方向に変換して元の状態に復元する装置や回路、ソフトウェアのこと。圧縮データの展開や暗号データの復号、CPU内部での命令解釈など様々な場面で用いられ、符号化された情報を利用可能な形式に戻す役割を持つ。
デコーダのイメージ画像

デコーダが扱う対象には、圧縮によって容量を小さくしたデータや、暗号化によって読み取れなくしたデータなどがある。これらを元の形式へ戻す処理を「デコード」(decoding)と呼び、対となる符号化処理は「エンコード」(encoding)と呼ばれる。

データ圧縮の分野では、圧縮データを展開して元の状態に復元するソフトウェアをデコーダと言う。動画や音声の配信では、圧縮された映像・音声データを再生可能な形式に変換するプログラムや回路がこれに該当する。暗号技術の分野では、暗号化されたデータを正しい鍵を用いて平文に戻す復号処理を担う機能がデコーダとされる。

電子回路の分野でのデコーダは、入力された符号や信号の内容を判別し、対応する出力を生成する回路を指す。2進数で表された入力値に応じて複数の出力線のうち一つを選択する回路は、メモリや入出力装置の選択制御などに利用されており、デジタル回路設計における基本的な論理回路の一つとして扱われる。

CPU内部にも制御装置の一部として「命令デコーダ」が組み込まれている。プログラムは機械語の命令コードとして記録されているが、CPUはフェッチ操作でメインメモリから読み込んだ命令コードを命令デコーダによって解釈し、演算装置やレジスタなどへ必要な制御信号を送る。命令セットが複雑なプロセッサでは、命令コードを内部形式やマイクロプログラムへ変換して処理を進める場合もある。

デコーダとは逆に、対象データを一定の規則に基づいて特定の符号形式に変換する装置やソフトウェアを「エンコーダ」(encoder)という。データ圧縮や暗号化などの処理はエンコーダによって行われ、対になるデコーダによって元の状態に復元される。動画や音声のデータ圧縮では両者をセットにして配布・使用することが多く、エンコードとデコードの機能を一体化したソフトウェアや装置を「コーデック」(codec:coder-decoder)という。

(2026.6.27更新)
 

他の辞典等による「デコーダ」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。