リカバリー【recovery】リカバリ

リカバリーとは?

回復、復帰、修復などを意味する英単語。IT分野では、故障や不具合によって正常に動作しなくなった機器やソフトウェア、システムなどを、元の稼働状態または初期状態へ戻す操作を指すことが多い。対象や状況によって具体的な作業内容は異なる。
リカバリーのイメージ画像

ストレージ外部記憶装置)の分野では、媒体の物理的な損傷や論理的な破損によって読み出せなくなったデータを復旧する作業を指す。専用のツールや業者を用いて記憶媒体からデータを抽出・保全する場合と、RAID構成のシステムで故障した装置を新品と交換し、残存する装置のデータから内容を再構築する場合がある。定期的に別の媒体へ複製を保存しておく「バックアップ」から書き戻す操作をリカバリーと呼ぶこともある。

ソフトウェアの分野では、プログラムや設定の破損によって起動・動作しなくなった環境を修復する処理を指す。軽微な不具合であれば、システムが保持する以前の状態(復元ポイント)へ巻き戻すことで対処できる場合もある。深刻な障害では既存の環境を消去してオペレーティングシステム(OS)を再インストールし、工場出荷時の状態へ戻す「システムリカバリー」(システムの復元)が必要になる。

この場合、保存されていたアプリケーションや利用者データ・設定情報はすべて消去されるため、事前のバックアップが重要となる。メーカーがリカバリー用のディスクや専用パーティションをあらかじめ用意している製品も多い。近年ではネットワーク経由でシステムデータを取得して復元する「クラウドリカバリー」も普及している。

データベース管理システムDBMS)では、システムの急停止や機器障害が発生した際に、データの整合性を保ちながら障害直前の正しい状態へ戻す一連の処理を指す。ログファイルに記録された確定済みの処理を再現する「ロールフォワード」(roll forward)か、未完了の処理を取り消す「ロールバック」(roll back)を行って一貫性を回復する。

企業の情報システムでは、障害後に業務を継続できる状態へ戻すための手順や仕組み全体を指してリカバリーと呼ぶこともある。災害などで停止したシステムを応急的に復旧・復元し、業務の中断を最小限に抑える「ディザスタリカバリー」(DR:Disaster Recovery)などの用例がある。

(2026.6.9更新)

他の辞典等による「リカバリー」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「リカバリー」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令3 問75】 情報システムに関する機能 a~d のうち、DBMSに備わるものを全て挙げたものはどれか。a アクセス権管理b 障害回復c 同時実行制御d ファイアウォール。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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