アイドルタイム【idle time】遊休時間/アイドル時間
概要

起動中のコンピュータに実行すべき処理がなく、CPUやOSが遊休状態になっている時間をアイドルタイムと呼ぶ。利用者が次の操作を入力するのを待つ時間や、ハードディスクへの書き込み完了待ち、ネットワークでのデータ受信待ちなどが該当する。
コンピュータが起動してから現在までのCPU実行時間のうち、待機プロセス(アイドルプロセス)が占有している時間を指してアイドルタイムということが多い。CPU時間に占めるアイドルタイムの割合は「アイドル率」と呼ばれ、100%からCPU使用率を引いた値として求められる。
アイドル率が高いほど処理の負荷は小さく、CPUの処理能力に余裕がある状態を示す。逆にアイドルタイムがほとんどない状態は、CPUが常にフル稼働しており、処理の遅延が発生しやすい負荷の高い状態だと判断できる。マルチタスクに対応したOSでは、実行すべき処理がない時間にアイドルプロセスを動作させることでCPUの状態を制御している。
OSのスケジューラは実行可能なプロセスが存在しない場合、アイドルプロセスを実行状態として維持することでCPUが空いていることを示す。この時間には単純な待機だけでなく、ディスクやネットワークなどのI/O待ち、割り込み待ちが含まれる場合もある。Linuxなどの一部のOSでは、CPU使用率の内訳としてI/O待ち時間をアイドルタイムと区別して観測することもある。
仮想化環境やクラウド基盤では、物理リソースを複数の仮想マシンで共有するため、アイドルタイムの扱いがシステム全体の性能や電力効率と関係する。実行すべき処理がない時間帯に電力消費を抑える制御(Cステート遷移や動的周波数制御など)が行われることもあり、アイドル率はシステム監視や性能評価の指標としても用いられる。
IT分野以外では、工場などの生産設備が休日や休憩、故障、整備、原材料や部品の到着待ち、前工程の完了待ちなどで稼働せず停止している時間をアイドルタイムと呼ぶ。また、店舗や交通機関、宿泊施設などにおいて、利用者や来客が少なく稼働率が低い時間帯を指すこともあり、この場合は料金の割引やサービスの提供など、需要を喚起する施策が講じられることもある。設備利用率や稼働率を評価する指標としても扱われる。