スプール 【spool】 Simultaneous Peripheral Operations On-Line / スプーリング / spooling
概要
スプール(spool)とは、処理能力に大きな差のある装置やソフトウェア、通信回線などを協調して動作させる際に、速い側の待ち時間を短くするために、処理すべきデータを一時的に記憶装置に保存し、遅い側に少しずつ転送して処理させる仕組み。また、そのための専用の保存領域。例えば、コンピュータからプリンタにデータを送って印刷する場合、コンピュータのデータ処理・伝送速度よりも印刷装置の動作速度の方がはるかに遅いため、印刷中にコンピュータが付きっきりでデータを伝送すると、ほとんどの時間はプリンタが受け取ったデータを印刷するのを待つ待機時間となってしまい、何も処理を行っていないにも関わらず利用者の操作を受け付けたり他の処理を進めたりすることができない状態になってしまう。
このような場合に、ハードディスクなどの記憶装置に印刷データを一旦書き込み、プリンタ側の求めに応じて時々データを送ることで、印刷を行っている間にも他の処理を進めることができるようになる。このような仕組みをスプール(この場合は印刷スプール、プリンタスプール)という。
スプールの仕組みはコンピュータとプリンタの間だけなく様々な用途に用いられており、電子メールの配送システムなど、通信回線を通じて外部とデータの送受信を行うソフトウェアなどでよく用いられる。
(2020.3.21更新)