修復インストール【recovery install】
概要

ソフトウェアは、突然の強制終了や更新処理の失敗、マルウェアへの感染、利用者の誤操作、記憶装置の不具合などによって構成ファイルや設定データが損傷することがある。こうした損傷が生じると、ソフトウェアが正常に起動しなくなったり、一部の機能が利用できなくなったりする。
修復インストールでは、アンインストールを行わず既存の環境にそのまま同じソフトウェアをインストールし直すことで、破損または不足しているファイルを正常なものに置き換えて動作を回復させる。正しい内容が記録されたインストールメディアやインストール用ファイルが使用される。
利用者が作成したデータや各種設定、追加した拡張機能などを保持したまま実行できるため、環境を一から再構築する手間を省きながら不具合を解消できる。ただし、インストールによってソフトウェアの構成は初回インストール時点の状態に戻るため、それ以降に適用されていた修正プログラム(パッチ)やセキュリティ更新プログラム、追加されていた拡張機能(アドオンやプラグインなど)は改めて適用し直す必要がある。また、レジストリや設定ファイル自体に不具合の原因がある場合は、修復インストールでも問題が解決しないことがある。
これに対し、既存の環境をいったんすべて削除してからソフトウェアを新規導入する手法を「クリーンインストール」という。設定やデータは失われるが、既存環境の問題を引き継がない状態から再構築できるため、修復インストールで問題が解決しない場合や、深刻な不具合、セキュリティ上の問題が疑われる場合に選択される。修復インストールはこれに伴うデータ損失や再設定の手間を回避するための手段として位置付けられる。
修復インストールはWindowsなどのオペレーティングシステム(OS)にも適用される。Windowsのセットアッププログラムには修復インストール用のモードが用意されており、個人データやアプリケーションを維持したままシステムファイルのみを再構築することができる。なお、作業前にはデータのバックアップを取得しておくことが一般的に推奨される。