タイムゾーン 【time zone】 TZ / 時間帯 / 等時帯 / 時刻帯
世界の時刻の標準として協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)があるが、これは歴史的な経緯から北極からイギリス付近(旧グリニッジ天文台)を通り南極に至る本初子午線(経度0度)における時刻に等しくなっている。
世界の他の地域では経度に応じてUTC時刻からのズレが生じており、これを補正した当該地域における標準時刻をそれぞれ使用している。この標準時刻が同一になる南北に伸びる帯状の地域のことをタイムゾーンという。
標準時は国ごとに制度が決まっており、日本のように狭い国では全体が単一のタイムゾーンに収まるが、米国やロシアのように国土が東西に長かったり本土から遠く離れた離島などがある場合は複数の標準時を採用している場合もあり、同じ国の中でも地域によってタイムゾーンが異なる。
タイムゾーンはおおむね経度15度ずつ1時間ごとに分かれているが、子午線通りに直線状に分割されているわけではなく、国や地方の境界に従って分かれている。また、UTCからのズレを30分単位や15分単位で細かく指定する国や地域もある。
タイムゾーンの表記はUTCに対して進んでいる場合は「UTC+8」のようにプラス記号と時間を、遅れている場合は「UTC-8」のようにマイナス記号と時間をそれぞれ書き入れる。日本標準時(JST)は明石付近を通る子午線を基準にUTC+9と定められており、韓国や北朝鮮、インドネシア東部、パラオ、東ティモール、ロシアのヤクーツク時間などと同じになっている。
世界で最も早いのはキリバスの一部で用いられるUTC+14(UTCより14時間先行)で、最も遅いのは太平洋の米領島嶼部の一部で用いられるUTC-12(UTCより12時間遅延)である。この両者ではキリバスの方が東にあり、日付変更線付近ではUTC+12以上の地域とUTC-12の地域の間で24時間以上の時差が生じている。