セキュリティパッチ 【security patch】
概要
セキュリティパッチ(security patch)とは、ソフトウェアに保安上の弱点(脆弱性)が発見された際に利用者に配布される修正プログラム。現代ではインターネットを通じて配信するのが一般的となっている。ソフトウェアには公開・出荷後に問題が見つかる場合があり、本来できないはずの操作が可能になるなど、外部の攻撃者やマルウェア(悪意のあるプログラム)が悪用すると安全が脅かされるものもある。
セキュリティパッチはそのような脆弱性の含まれるプログラムファイルや設定ファイルなどを上書きし、問題が修正された最新版に置き換える。同時期に複数の問題が見つかった場合は、それらを同時に置き換えるプログラムが発行される場合もある。
パッチの適用
問題の深刻さや悪用のしやすさ、利用者側での使用環境などにもよるが、公表された脆弱性はそれを応用した攻撃に晒されやすくなるため、セキュリティパッチの配布が開始されたら速やかに入手して適用すべきであるとされる。
パッチの適用によって仕様や設定などが変わり、ソフトウェアが今まで通りに動作しなくなったり、稀にパッチが別の問題を引き起こすこともあるため、法人ユーザーなどではシステム管理部門が自社システムで正しく動作するか検証してから各機器へ配信を開始するいった対応を行うことが多い。
提供方式
一般消費者の利用するオペレーティングシステム(OS)製品では、利用者が必ずしもコンピュータに詳しくないため、開発元の運用するサーバコンピュータから自動的に修正プログラムを入手して適用する仕組みが設けられていることが多い。Windowsを修正する「Windows Update」などがよく知られる。
有名で利用者の多い製品や大規模なソフトウェアでは、さほど深刻ではない細かい問題点が頻繁に見つかることがあるため、更新プログラムを月に一度など定期的に配布し、前回の配布以降に見つかった問題をまとめて修正するようになっている場合もある。
(2024.1.23更新)