Solaris 【ソラリス】
概要
Solaris(ソラリス)とは、米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社が開発・販売してきたUNIX系OS製品。UNIX認証を受けたいわゆる商用UNIXの代表的な製品の一つ。2010年に同社が米オラクル(Oracle)社に買収され、以降は同社製品となっている。Sun社製のマイクロプロセッサ(SPARCシリーズ)および同プロセッサを搭載した同社製コンピュータ(ワークステーションやサーバ)の標準OSとして長年用いられてきたもので、米インテル(Intel)社のx86系プロセッサ向けの製品も並行して提供されてきた。主に大企業や研究機関などで利用される高性能、大規模システムに適しており、高負荷時の動作の安定性や堅牢性などに定評がある。
SPARCプロセッサの進化に合わせ1990年代後半にはすでに64ビット環境に対応していたことや、コンテナ型仮想化やネットワーク仮想化、ソフトウェアの動作状況を動的に解析するDTrace、後に多くのOSに移植されることになる大規模ストレージ向けの高信頼性ファイルシステムZFSなど、先進的な機能や特徴でよく知られる。
Sun社はもともとBSD系UNIXであるSunOSを開発・提供していたが、そのバージョン5からSystem V(SVR4)系に設計を変更するのに合わせ、周辺のソフトウェアなどをまとめたパッケージとして「Solaris 2」という名称を初めて使用した。以降もカーネル部分のバージョン情報などを表示するとSunOS 5.xという表記が併存していた。Solaris 1を称した製品は出ていないが、俗にSunOS 4.xをそう呼ぶ場合もある。
SunOS 5.2がSolaris 2,2に、5.3が2.3にそれぞれ含まれるといった対応関係が続いていたが、1998年のSunOS 5.7はSolaris 7としてリリースされ、以降は5.8がSolaris 8、5.9がSolaris 9に、5.10がSolaris 10にそれぞれ対応している。
2005年には同社の特許を含むSolarisのソースコードをOpenSolarisと呼ばれるプロジェクトで公開し始め、誰でも無償で入手、利用、改変、再配布などができるようになった。2010年にSun社をOracle社が買収すると同プロジェクトは打ち切りとなったが、すでに公開済みのコードを元にSolaris互換OSを開発・提供する活動はillumos/OpenIndianaなどの形で継続されている。