iOS 【Apple iOS】

概要

iOS(Apple iOS)とは、米アップル(Apple)社の携帯情報端末に内蔵されているオペレーティングシステム(OS)製品。このOSで動作するiPhone、iPad、iPod touchなどの同社製品は「iOSデバイス」と総称されることがある。

同社のMacシリーズのパソコン製品に内蔵される「Mac OS X」(現macOS)から派生したOSで、共通の基盤部分に携帯端末向けの機能などを追加して再構成したソフトウェアである。画面に触れて操作するタッチパネルを前提とした表示・操作方式(ユーザーインターフェース)が大きな特徴である。

OSの設計上は同時に複数のソフトウェアを実行状態に置けるマルチタスクとなっているが、パソコン向けOSウィンドウシステムとは異なり起動したソフトウェア全画面を占有する操作体系を採用しているため、実質的に同時に実行できるアプリケーションは一つである。

ただし、あるアプリの実行中にホーム画面に戻ったり他のアプリに切り替えてもバックグラウンド(非表示)状態で実行状態を維持することができ、音楽を再生しながら他のアプリで作業をするといった使い方はできる。

iOSアプリ

携帯端末実行されるアプリケーションソフトは「アプリ」(英語では “App” )と略されることが多い。端末に追加・導入するには同社の運営するオンラインソフトウェア販売サービスである「App Store」(アップストア)にインターネットを通じて接続し、ダウンロードして入手あるいは購入する必要がある。

通話、WebブラウザMobile Safari)、電子メールメッセージ、地図(マップ)、時計、カレンダー、計算機、メモ、音楽再生、動画再生、カメラ撮影・録画、写真閲覧、ビデオ通話(FaceTime)、アドレス帳(連絡先)、電子書籍リーダーなど基本的なアプリはiOS自体にあらかじめ組み込まれて出荷されている。

アプリ開発には同社の提供する開発環境が必要で、macOSで動作する統合開発環境IDE)の「Xcode」や、プログラミング言語の「Objective-C」、近年ではこれに代わる新しい言語「Swift」などを用いる。

歴史と派生製品

2007年の初代iPhone発売の頃には名称がはっきり定まっておらず「OS X iPhone」などと呼ばれていたが、2009年3月のバージョン3から「iPhone OS」という名称が確定し、さらに2010年6月のバージョン4から「iOS」と改称された。

派生OSとして、Apple Watch向けの「watchOS」、Apple TV向けの「tvOS」がある。iPadは当初iOSを利用していたが、2019年に「iPadOS」として分離された。

なお、米シスコシステムズCisco Systems)社のネットワーク機器に内蔵されているOSも「Cisco IOS」(シスコ・アイオーエス)と同じ名称だが、互いにまったく無関係で、名前が似ている以外の共通点や関連性は無い。Cisco社の製品の方が古く、Apple社は「iOS」と先頭のアイが小文字だがCisco社は「IOS」と大文字で綴る。

(2019.8.20更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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