システム時刻 【system time】 システム時間 / システム日時

概要

システム時刻(system time)とは、コンピュータなどの機器でオペレーティングシステム(OS)が提供する現在時刻(現在の日付と時刻)のこと。

コンピュータは内部に現在の日付と時刻を保持するリアルタイムクロックRTC:Real Time Clock)と呼ばれる回路を持っており、電源がオフの間も電池などで時を刻み続けているが、精度が秒~ミリ秒単位と低い。

このため、OSは起動時にRTCから時刻情報を読み取ると、以降は高周波数のシステムクロックによりナノ秒~マイクロ秒単位の短い周期で時間を積算していき、独自に高精度の時刻情報を提供している。これをシステム時刻という。

システム時刻は過去のある起点からの経過時間という形式で提供され、起点の日時がシステムにより異なる。LinuxなどのUNIX系OSでは協定世界時UTC)の1970年1月1日午前0時ちょうどを起点としており、これを「UNIX時間」(UNIX time)という。Windowsでは1601年1月1日午前0時(UTC)が起点となる。

コンピュータ起動中のシステム時刻はズレが少ないが、RTCはズレが大きいため、起動を繰り返すとシステム時刻も次第にズレていく。かつてはズレが大きくなると利用者がシステム上の操作により時計を合わせていたが、現在ではインターネットを利用して正確な時刻を取得する方式(NTP)が普及しており、定期的にRTCを自動的に補正してくれる機器が多い。

(2021.11.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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