読み方 : アールティーエムばん
RTM版【Release To Manufacturing】
RTM版とは?
ソフトウェア開発において、製品の完成版として製造工程に引き渡されるバージョンのこと。主にオペレーティングシステム(OS)製品やパッケージソフトウェアの開発現場で用いられる概念である。

もともとはパッケージソフトを物理媒体で量産する際、マスターとして複製に用いられる完成版を示す言葉として使われていた。開発中のアルファ版やベータ版、リリース候補版(RC版)などの検証段階を経て、不具合修正や機能調整が完了した時点で作成される。RTM版は開発側の品質基準を満たした状態として固定され、その内容が最初に出荷される製品に反映される。
物理媒体での販売が中心だった時代には、RTM版が確定するとCD-ROMやDVD-ROMなどの工場での量産が開始され、流通に乗る製品はすべて同一内容となった。近年ではダウンロード提供が主流となったが、社内外の関係者に対する引き渡しの区切りとして「RTM版」という呼称は今でも用いられている。OSや業務ソフトでは、RTM版がハードウェアメーカーや販売代理店に提供され、出荷前の検証やプリインストール作業に使用されることが多い。
RTM版は一応の完成版ではあるが、発売・公開後に不具合や脆弱性が見つかる場合もある。出荷後には更新プログラムやサービスパックなどによる修正が行われる。実際の利用環境では、RTM版を基準としつつ、公開後のアップデートを適用した状態で利用される。開発工程上はRTM版の確定が一区切りとなり、その後は保守や改良を目的とした更新版の開発へ移行する流れとなる。