スレッド 【thread】

概要

スレッド(thread)とは、撚り糸、筋、脈絡などの意味を持つ英単語。ITの分野では、コンピュータが連続して実行する命令の列など、一筋の連続した流れになっているものを比喩的に表す。

並行処理のスレッド

ソフトウェアの分野では、並行処理に対応したマイクロプロセッサ(CPU/MPU)およびオペレーティングシステム(OS)におけるプログラムの最小の実行単位をスレッドという。

連続して実行される一本の命令の並び、処理の流れのことで、並行処理を行わない場合は一つの実行プログラム(プロセス)は一つのスレッド(シングルスレッド)で命令を順に実行していく。

並行処理が可能な環境では一つのプログラムが複数のスレッドを持つことができ、それぞれが独立にプログラム中の異なる箇所を並行して実行していくことができる。このような実行方式を「マルチスレッド」(multithreading)という。

一方、オペレーティングシステム(OS)上で複数の異なるプログラムを並行して実行できることは「マルチタスク」「マルチプロセス」等と呼んで区別する。

SNSなどのスレッド表示

インターネットの分野では、一つの話題に属する複数の発言や記事を一つの流れとしてグループ化したものをスレッドと呼ぶことがある。隠語的に「スレ」と略して呼ぶこともある。

SNSソーシャルネットワークサービス)や電子掲示板BBS)、メーリングリストなどで、様々な利用者が様々な話題について発言する場合、規模が大きくなってくると誰が誰に返答しているのか、どの話題についての発言なのかが分かりにくくなってくる。

このような場合に、スレッド表示に対応したシステムでは、関連する一連の発言をひとかたまりのスレッドとして管理し、スレッドごとに分けて表示したり、スレッドを指定して書き込んだりできるようにしている。

利用者は個々の発言がどの流れに属するものかすぐに判別でき、関心のある話題だけを閲覧することができる。発言時も自分の書き込みがどの発言や話題に対する応答かを簡単に明示することができ、効率的にコミュニケーションを進めることができる。

(2020.1.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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