実行ファイル 【executable file】 実行可能ファイル / ロードモジュール / load module
概要
実行ファイル(executable file)とは、コンピュータのストレージ(外部記憶装置)などに記録されるファイルの種類の一つで、メインメモリに読み込んで実行できる形式のプログラムファイルのこと。コンピュータ内部のCPU(マイクロプロセッサ)が直に解釈・実行できる機械語(マシン語)による命令列が格納されている。先頭部分にはプログラムの起動に必要な初期化コードが付加されており、この部分はどのファイルでも共通だが、オペレーティングシステム(OS)ごとに異なっている。
プログラム本体を構成する機械語はプロセッサの機種ごとに固有であり、異なる仕様の機種で直接実行することはできない。ほとんどの実行プログラムにはOSの機能を呼び出すコードが含まれるため、異なるOS上でそのまま実行することも通常はできない。
特定の機械語ではなく、機種に依存しない機械語風の命令形式である中間コードや、スクリプト言語で書かれたソースコードのように、実行環境側の仮想マシン(VM)やインタプリタが機械語への変換を自動的に行うプログラムファイルも実行ファイルの一種とみなす場合もある。
実行ファイルを作成するには、人間が読み書きしやすいプログラミング言語で書かれたソースコードをコンパイラなどで機械語コード(オブジェクトコード/ネイティブコード)に変換し、リンカなどで必要なライブラリや初期化コードなどを連結する。この一連の工程を「ビルド」という。
Windowsでは拡張子が「.exe」(“executable” の略)になっているものが最も一般的な形式の実行ファイルであるため、「EXEファイル」(エグゼファイル)と呼ばれることもある。大型汎用機(メインフレーム)やオフコンなどの分野では「ロードモジュール」(load module)という呼称が用いられることが多い。
(2024.3.13更新)