System V
概要
System Vとは、1983年に米AT&T社(当時)のベル研究所(Bell Laboratories)が開発したオペレーティングシステム(OS)。初の商用UNIXとして知られる。また、現代ではその流れを仕様を受け継ぐUNIX系OSの総称(System V系UNIX)を指すこともある。初版は「System V Release 1」略して「SVR1」と呼ばれ、以降1992年の「SVR4.2」まで開発された。オペレーティングシステムの各種仕様は「System V Interface Definition」(SVID)としてまとめられ、POSIXなどと並んでUNIX系OSの標準仕様を定めた規格の一つとして参照された。
System Vから派生する形で、米IBM社の「AIX」、米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社(当時)の「SunOS」や「Solaris」、米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)社(当時)の「HP-UX」など有力な商用UNIXが開発され、カリフォルニア大学バークリー校(UCB)による「BSD」(Berkeley Software Distribution)と並ぶUNIX系OSの大きな系譜を構成した。
1989年にSystem Vの著作権は「UNIX」商標権とともにAT&Tの下部組織USL(UNIX Systems Laboratories)に移転された。1992年にUSLは米ノベル(Novell)社に買収され、System Vの権利はNovell社に、商標権は業界団体X/Open(現在のThe Open Group)に移された。Novell社のUNIX関連資産は1995年にSCO(Santa Cruz Operations)社に売却された。
(2022.7.1更新)