テキストエディタ【text editor】
概要
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テキストエディタが扱うテキスト形式のデータは、画像や音声などのマルチメディアデータ、あるいは文字のフォント、サイズ、色といった修飾情報(スタイル)を含まないという特性を持つ。テキストエディタは文字情報の編集に機能を限定することで、高い汎用性を持ち、軽量かつ高速な動作を実現している。
主な用途
現代の一般的な文書作成においては、人間にとって読みやすい体裁の文書にするため、レイアウトや装飾が容易なワープロソフト(文書編集ソフト)が主流である。テキストエディタは、主にコンピュータ(上で動作するソフトウェア)が処理するデータを扱う場面で必要となる。
その最も重要な用途は、コンピュータプログラムやWebページなどのソースコードの作成・編集である。各種プログラミング言語のソースコード、HTMLやXMLのようなマークアップ言語の文書は、人間が理解しやすく、言語処理系が解釈可能な、特定の語彙や記法、構文規則を持つテキスト形式で記述される。
また、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトの動作を制御する設定ファイル(コンフィグファイル)の多くも、意図しない制御データが混入することを避けるためにテキスト形式が採用されており、特定の記法に従って記述する必要がある。こうしたテキストデータの編集にテキストエディタが用いられる。
これに対し、画像や音声、動画、実行可能プログラムのように、文字コードの規約に縛られず任意のビット列で構成され、専用プログラムでなければ内容が解釈できないデータは「バイナリ形式」と呼ばれ、テキストエディタでは直接編集することはできない。
高度な支援機能と種類
多くの高機能なテキストエディタは、作業効率を向上させるための編集支援機能を備えている。特にプログラムの編集に特化した製品は「コードエディタ」(code editor)と呼ばれる。構文に応じてキーワードやコメントを色分け表示する「シンタックスハイライト」(syntax highlighting)機能は、コードの可読性を高め、誤りの発見を容易にする。
他にも、ファイルの構造把握を助ける行番号の表示、複雑なパターンに基づく検索・置換を可能にする正規表現への対応、そして一連の操作を記録して自動化するマクロ機能など高度な支援機能を持つ製品がある。
主な製品
テキストエディタはシステムの運用に不可欠なため、多くのオペレーティングシステム(OS)がシンプルな機能の製品を内蔵・同梱している。Windowsの「メモ帳」や、macOSの「テキストエディット」、LinuxなどのUNIX系OSにおける「vi」や「Emacs」、およびそれらの派生ソフトウェア(Vimなど)などである。
文書編集やプログラムコード編集などで高い機能が必要な場合には、単体で配布・販売されているアプリケーションを導入して利用することが多い。コードエディタとしては「Visual Studio Code」や「Sublime Text」、「Atom」などの製品がよく知られる。日本のWindows環境では「秀丸エディタ」「サクラエディタ」といった国産のフリーソフトウェア・オープンソースソフトウェアも人気がある。