MBR 【Master Boot Record】 マスターブートレコード

概要

MBR(Master Boot Record)とは、ハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)の最も先頭にある、起動に必要なプログラム情報を記録した小さな領域。コンピュータの起動時に最初に読み込まれる。

かつて主流だったBIOSレガシーBIOS)によって制御する方式のPC/AT互換機(いわゆるWindowsパソコンなど)で用いられる。記録メディア内部を同容量ごとに分割した管理単位(セクタ)のうち最も先頭にある特殊な領域で、いずれのパーティションにも属さない。

サイズは512バイトで、先頭から446バイトOS読み込み用の小さなプログラムブートローダ/ブートストラップローダ)、続く64バイトメディア内の各パーティションについての情報を記したパーティションテーブル(16バイト×4パーティション分)、末尾の2バイトは「ブートシグネチャ」と呼ばれるMBRの有効性を示す決まったデータ16進数AA55)が記録される。

MBRに記録されたブートローダは「1次ブートローダ」とも呼ばれ、起動後に最初に実行されるBIOS内のプログラムによってメモリ上に読み込まれて実行される。パーティションテーブルの内容を読み込んで起動すべきOSが記録されたものを選択し、その先頭部分からOSを起動するための「2次ブートローダ」を読み込んで実行する。

パーティションテーブルの内容

パーティションテーブル領域には最大で4つまでのパーティション情報を記録することができ、テーブルの先頭から順番に16バイトづつの領域が割り当てられている。各パーティション情報は、ブートフラグ(OSなど起動可能なプログラムが記録されているか否かを表す)、開始位置(セクタ)、識別子(種類を表す)、終了位置、先頭位置のLBA方式でのセクタ数で構成される。

パーティション識別子は内部のファイルシステムなどを表しており、例えば「0」は空、「4」はFAT16、「7」はNTFSexFAT、「11」(16進数0B)はFAT32、「12」(16進数0C)はLBA対応FAT32、「130」(16進数82)はLinuxスワップパーティション、「131」(16進数83)はLinuxファイルシステムなどとなっている。

GPTディスク

BIOSに代えてEFI/UEFIによって制御するコンピュータでは、従来のMBRで管理するストレージに加えて「GPT」(GUIDパーティションテーブル)によるパーティション管理がえるようになった。と言っても、GPTの先頭512バイトは互換性確保のため従来のMBRと同じ「保護MBR」となっている。

保護MBRの内容は、パーティションテーブルが全体で1パーティションパーティション識別子GPT拡張であることを表す「238」(16進数EE)などとなっている。MBRの後続の領域(第2セクタ目以降)にGPTによる本来のパーティション情報が記録されている。

(2024.4.1更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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