マルチメディア 【multimedia】
概要
マルチメディア(multimedia)とは、情報媒体(メディア)の様態の一種で、文字や画像、動画、音声など、様々な種類・形式の情報を組み合わせて複合的に扱うことができるもの。特に、コンピュータなどの情報機器を用いて、デジタル化されたそれら多様な種類の情報を統合したもの。解説 紙媒体でも実現できる文字と静止画のみの組み合わせではなく、音声や(撮影された)映像、アニメーションなど、時間軸に従って変化する情報を統一的に扱えるようにしたものをマルチメディアということが多い。利用者の操作に応じて表示や再生の仕方に変化が生まれる双方向性(インタラクティブ性)を、その構成要件に挙げる考え方もある。
1980年代まではコンピュータで音声や動画を扱うシステムは高価だったが、1990年代に個人用小型コンピュータの処理性能や記憶容量、操作性などが大きく進歩すると、それまでは制約されていた様々な種類の表現を複合的に扱うことが容易になり、新しい情報メディアのあり方としてマルチメディアが大きく注目を集めた。
しかし、その指し表す内容が不明確で具体性を欠いたまま流行語(バズワード)のように消費されたことや、コンピュータ上でのメディア技術の利用が一般化し、マルチメディア的な表現が特に新しくも珍しくもなくなったことなどから、2000年代には「マルチメディア」の語自体はほとんど用いられなくなった。
類義語
インターネット業界では、初期の文字と画像を静的に表示するだけのWebページから発展し、音声や映像、アニメーション、利用者による操作などの要素を組み込んだWebページ、およびその構成要素(広告など)を「リッチメディア」(rich media)と呼ぶことがある。概念的にはマルチメディアとほぼ同義である。
また、マルチメディアの概念をさらに発展させ、情報の識別子や所在などを統一的な方法で記述し、情報に別の情報への参照(リンク)を埋め込むことで相互に関連付けるようにしたメディアを「ハイパーメディア」(hypermedia)という。現代のWeb(WWW)はハイパーメディアの具体的な実装の一つとされる。