AV1 【AOMedia Video 1】
概要
AV1(AOMedia Video 1)とは、米IT大手などが参加する業界団体のAOMedia(Alliance for Open Media)が開発・公開している動画圧縮方式の一つ。特許料などが不要なオープンな形式としてインターネット上の動画配信などでの普及が見込まれている。いずれもフリーの動画圧縮技術である米グーグル(Google)社の「VP9」(正確にはその後継として開発途上だったVP10)、Xiph.Org Foundationの「Daala」(ダーラ)、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社の「Thor」(トール)を基盤として開発された、動画データの圧縮符号化方式(コーデック)である。
動画圧縮の標準規格であるHEVC/H.265が対応ソフトウェア開発などに特許料の支払いを要する点を問題視する企業群が共同で推進しており、特許技術を含まないロイヤルティフリーの形式となっている。H.265等の同世代に技術に比較して圧縮率は遜色ないか高効率であると言われるが、圧縮や展開の処理性能が非常に低速という難点がある。
AV1は動画の圧縮データの形式を定めたもので、ファイルへの格納方式(コンテナフォーマット)は定めていない。AV1形式の動画を格納できるファイル形式としてはMP4形式、Matroska形式(.mkvファイル)があり、非公式ながらIVF形式、WebM形式も対応している。
AOMediaは2015年に前述のGoogle社、Cisco社に加え、米アップル(Apple)社、米フェイスブック(Facebook)社、米アマゾンドットコム(Amazon.com)社、米マイクロソフト(Micorosft)社、米インテル(Intel)社、米IBM社、モジラ財団(Mozilla Foundation)、米ネットフリックス(Netflix)社、米エヌビディア(NVIDIA)社、英ARM社、韓サムスン電子(Samsung Electronics)を中心に設立された。
AV1の最初の仕様は2018年に発行された。著名な対応ソフトウェアとしては、Google ChromeやMozilla Firefox、Micorosft Edge(Chromium版)、OperaなどのWebブラウザ、および、VLCメディアプレーヤー、MPC-HC、FFmpegなどの動画圧縮・再生ソフトウェアがある。