GPU 【Graphics Processing Unit】 グラフィックスプロセッサ

概要

GPU(Graphics Processing Unit)とは、コンピュータに搭載される半導体チップの一種で、画面表示や画像処理に特化した演算装置。特に、3次元グラフィックス(3DCG)描画や動画の圧縮・展開などに必要な演算を高速化する並列処理に優れた構造のもの。

コンピュータには制御や演算のためにCPUMPU/マイクロプロセッサ)が搭載されている。これは汎用的に設計されており様々な命令を実行できるが、一度に実行できる命令は数個から数十個(数値演算並列化機能使用時)程度に限られる。

一方、GPUは画像処理などで多用される特定の比較的単純な数値計算に特化した演算回路を大量に内蔵しており、一度に数百回から数千回の演算を一気に実行することができる。CPUで同じ計算をう場合よりはるかに高速に処理することができる。

また、グラフィック描画に関連する機能を豊富に用意しており、3次元から2次元への座標値の変換(ジオメトリ処理)、立体表面に貼り付けられた画像パターン(テクスチャ)や光、陰影などから各画素の表示色を決定する処理(シェーディング)などを高速に実行できる。

単体のICチップとして実装されたGPUを「dGPU」(ディスクリートGPU)と呼び、コンピュータマザーボード実装したり、ビデオカードグラフィックカード)に搭載して拡張スロットに差し込んで使用する。CPUの内部にGPUの回路を統合したものは「iGPU」(内蔵GPU)と呼ばれ、廉価版のCPU製品などに組み込まれている。

GPUはコンピュータグラフィックスを多用するビデオゲームなどで主に用いられてきたが、近年では汎用の高速な数値計算装置として様々な分野で利用されるようになっており、これを「GPGPU」(General Purpose GPU)あるいは「GPUコンピューティング」(GPU computing)という。科学技術計算や暗号処理、仮想通貨音声認識・合成、人工知能機械学習)などの分野で広く普及している。

(2022.5.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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