クリッピング【clipping】

クリッピングとは?

切り抜くこと、切り抜き、刈り取ること、切り出すこと、(クリップで)挟む・留めること、などの意味を持つ英単語。対象から必要な部分だけを切り出したり、許容範囲を超えた部分を取り除いたりする処理を意味することが多い。

描画領域のクリッピング

画面描画やコンピュータグラフィックスCG)では、表示領域の外側に存在する対象の描画をスキップする手法をクリッピングと呼ぶ。画面の場合はウィンドウ枠の外側、3DCGではカメラの視野外にある物体の描画処理を省略し、描画速度を高めることができる。

画像編集ソフトの場合には、指定したあるレイヤー(層)において着色がある領域にのみ、別のレイヤーの画像の内容を重ね合わせて表示する処理をクリッピングということがある。「クリッピングマスク」とも言う。窓越しに奥の光景が部分的に見えているような表現が可能となる。

信号処理のクリッピング

音響や電子回路の分野では、信号の振幅が機器の許容範囲を超えたときに波形の頂点が平らに切り取られる現象をクリッピングという。本来なら滑らか曲線を描くべき信号が矩形に近い形に変形し、独特のノイズが生じる。過大な入力レベルや増幅のしすぎが主な原因であり、音質劣化に繋がるため、録音や放送の現場では慎重に入力レベルの管理が行われる。なお、エレキギターの歪みエフェクターのように、この現象をあえて活用して音色を作る手法も存在する。

画像処理の分野では、画素値が扱える範囲を超えた際に上限または下限の値で打ち切る操作をクリッピングと呼ぶ。明るさを強調する処理を施すと最大値を超えた部分が白一色になる、いわゆる「白飛び」が生じるが、これもクリッピングの一例である。プログラミングや数値計算の場合も同様に、変数の値を指定した範囲内に収める処理を指す。センサーの入力値を安全な範囲に制限したり、機械学習における「勾配クリッピング」として計算の暴走を防いだりする用途で活用されている。

記事のクリッピング

報道やメディアの分野では、新聞や雑誌の記事を切り抜いて保管する行為をクリッピングと呼ぶ。現在はWebメディアにも対象が広がり、特定のキーワードや企業名に関する記事を自動収集する「クリッピングサービス」が普及している。企業の広報担当者が自社に関する報道を把握・整理するために利用されることが多い。

(2026.4.28更新)

他の辞典等による「クリッピング」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「クリッピング」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
令5公 問5】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
令1修6 問25】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平30修1 問25】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平28春 問25】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平27修1 問25】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平25春 問25】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平23修12 問28】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
平22秋 問28】 3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。

本ページを参照・引用している文書・論文など (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。