ラジオシティ法 【radiosity method】

概要

ラジオシティ法(radiosity method)とは、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)のレンダリング手法の一つで、光源からの光を追跡し、物体表面で拡散反射された間接光が他の物体を照らす現象を反映させる手法。

3Dレンダリングは物体の座標データや光源の配置、視点の位置などのデータを元に投影面に空間の様子を描画する過程で、ラジオシティ法は空間内の光の挙動を物理法則に従って計算するグローバルイルミネーション(大域照明)を実現する代表的な手法の一つ。

光源が放射する光のエネルギーを熱力学的に解析し、物体表面で反射した光が他の物体に当たることを織り込んでそれぞれの位置の色や明るさを決定していく。一回の計算では一度の反射しか扱えないが、何度も繰り返し計算をうことで2回反射した光や3回反射した光の効果を取り込むことができる。反射する度に光は減衰するため、繰り返し回数を増やしていくと次第に一定の状態に収束する。

光の物理的な挙動を計算に反映させるため他手法より写実的で現実に近い描画をうことができるが、画像を得るために必要な計算回数が多いため、動画やゲームなどでの採用は稀で静的な画像の生成に用いられることが多い。

(2021.6.4更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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