iGPU 【internal GPU】 内蔵GPU / 統合GPU

概要

iGPU(internal GPU)とは、グラフィック処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)のうち、CPUチップセットなどの一部として実装されたもの。単体のICチップとして実装された「dGPU」(discrete GPUディスクリートGPU)と対比される。

GPU3次元グラフィックス3DCG)の描画や動画の圧縮・展開などで利用される特定の数値計算に特化した演算回路を大量に内蔵したチップで、これらの処理で多用される演算をCPUよりも高速に並列実行することができる。

iGPUはCPUなどのチップの一部として組み込まれたGPUで、他の回路とチップ内で直結され緊密に統合されている。CPUや他の制御回路との通信は高速にうことができるが、単体のGPUチップに比べ素子数や消費電力などの制約が大きく、同世代のdGPUより並列度や処理性能では劣ることが多い。

GPU以前のビデオチップは単体で提供されるのが一般的だったが、2000年前後にコンピュータ内部の装置間の通信制御などをチップセットビデオチップを統合した製品が現れた。2010年代になるとCPU内部にグラフィックス機能を統合した製品が主流となり、現在ではこの形態をiGPUということが多い。

インテルIntel)社ではIntel CoreシリーズのCPU製品に「Intel HD Graphics」「Intel Iris Graphics」「Intel UHD Graphics」などのブランドで展開されるGPU機能を統合している。米AMD社ではdGPUの「Radeon」シリーズに相当するGPU機能を統合したCPU製品をRyzenシリーズなどで展開している。

(2022.5.24更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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