ピクセル 【pixel】 画素 / px

概要

ピクセル(pixel)とは、デジタル画像や画面などを構成する最小単位である、色のついた微細な点のこと。また、その数を表す単位。単位を表す場合は “px” と略記されることもある。

コンピュータは画像をデジタルデータとして扱うため、固有の色情報を持つ点が縦横に規則正しく並んだ集合として表現する。この点のことをピクセルと呼び、それ以上小さな単位に分割することができない最小の要素となっている。

色深度 (color depth)

一つの画素にどのような色情報を持たせることができるかは画像形式やソフトウェア、表示・印刷媒体によって異なる。一画素を何ビットの色情報で表現するかを「色深度」(color depth)と呼び、「bpp」(bits per pixelビット毎ピクセル)という単位で表す。

最も単純で情報量が少ないのは各画素が1ビットの色情報を持つ方式(1bpp)で、各画素は2種類の色(ビットの0と1にそれぞれ対応)のいずれかとなる。通常はこれを白と黒に対応付け、白黒画像(2値画像モノクロ2値)として扱う。

様々な色を扱う場合は色深度を大きく取り、8ビット256色)や16ビット65,536色)、24ビット(約1677万色)などが用いられる。24bppでは光の三原色RGB:赤緑青)の各色を8ビット(256段階)で表すことができ、人間の目で識別できるほとんどの色を表現できるとされるため、「フルカラー」「トゥルーカラー」などと呼ばれる。

物理媒体におけるピクセルとドット

ディスプレイ装置などによる画面表示やプリンタによる印刷面も、色のついた微細な点を縦横に規則正しく並べた構造となっており、これもピクセルと呼ぶ。物理的な単位として「ドット」(dot)を用いる場合もある。

特に、プリンタではデジタル画像における一つのピクセルを複数の微小なインク滴やトナーの集合で表現する場合があり、ピクセルを構成する物理的な最小単位としてドットを用いることがある(ドットをピクセルと同義とする場合もある)。

物理的な媒体では表示・印刷面におけるピクセルの細かさが機器や機種によって異なり、幅1インチあたりに存在するピクセルの数である「ppi」(pixel per inchピクセル毎インチ)や隣り合うピクセルの中心間の距離である「画素ピッチ」(pixel pitch)などの単位で表す。

サブピクセル (subpixel)

物理媒体上では画素の色を原色の組み合わせで表現するため、ディスプレイなどの発光体では赤・緑・青の光の三原色RGB)に対応する発光素子を、印刷物などの反射体ではシアン・マゼンタ・イエローの色の三原色CMY)に対応するインク滴などを隣り合わせて一つの画素を表現する。

人間の目には三色が組み合わさって一つの色に見えるが、拡大すると各画素ごとに三色が規則正しく並んでいる様子が分かる。画素をこれらの三色に分解した構成単位を「サブピクセル」(subpixel副画素)と呼ぶことがある。

ソフトウェアや機器によっては画像の表現をより精細にするため、サブピクセル単位で表示や印刷を制御する「サブピクセルレンダリング」(subpixel rendering)がわれる場合もある。

(2019.8.23更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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