サーフェスモデル 【surface model】

概要

サーフェスモデル(surface model)とは、3次元グラフィックス(3DCG)で立体を表現するモデルの一つで、立体を頂点と頂点を結ぶ線、線で覆われる面で表現する方式。また、そのような方式で表現された図形データCGの分野で最も広く普及している。

立体図形を「ポリゴン」(polygon)と呼ばれる多角形の面の組み合わせとして表現する手法である。理論上は様々な形状の多角形を組み合わせて立体を構成できるが、実用上は変形や計算の容易さから三角形のみ、あるいは三角形四角形の組み合わせが用いられる。

面に色や印影、反射や映り込み、画像や模様(テクスチャ)、微細な凹凸などを設定することにより、美しく複雑な表現や、現実に近い光景を描画することができる。中身についての情報を持たないため、すべての立体は面のみの「張りぼて」状態となっている。

表現の精細化

頂点を結ぶ線は直線であるため曲線や曲面を直接表現することはできないが、曲面を多数の微細なポリゴンに分割し、その数を増やしていけば、見た目には限りなく曲面に近い表現が可能となる。一枚の画面(あるいは一つの立体)をいくつのポリゴンで構成するかが精細さの指標となる。

当初はコンピュータの性能の限界から、少数の大きなポリゴンを組み合わせた角ばった図形しか表現できなかったが、計算能力や記憶容量の向上により、図形をより微細な多数のポリゴンに分割することができるようになり、近年では現実に近い滑らかな表現も可能となっている。

また、工業用の設計・製図ソフトCAD)などでは、直線で囲まれた多角形の組み合わせだけでなく、曲線を表す方程式とそのパラメータの組み合わせによって任意の形状の自由曲面で立体を表現する手法も利用されている。

他のモデル

3DCGで立体を表現する情報モデルは他にもある。面の情報を持たず、立体図形を頂点とそれらを結ぶ直線からなる「骨組み」で表現する手法を「ワイヤーフレームモデル」(wireframe model)、面に加えて中身についての情報を持ち、切断や連結などの操作や、体積、重心、重量など質量の計算が可能な手法を「ソリッドモデル」(solid model)という。

(2024.1.30更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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