インターレース 【interlaced】 インターレーススキャン / interlaced scan
アナログテレビ放送の放送信号などで用いられた最も単純なインターレースは走査線を上から奇数番目と偶数番目に分けて交互に走査するもので、一回の走査で画面の半分を描画することができる。単位時間あたりの走査回数を増やして動きを滑らかに表現できるが、常に画面の半分が残像となるため、細部が不鮮明なぼんやりした画質となる。
上下か左右のどちらかの並び順のみを対象とするインターレース方式を「1次元インターレース」、上下と左右のいずれの方向にもインターレースを行う方式を「2次元インターレース」という。一枚の画像の記録・伝送をn回の走査に分割して行うことを「n:1インターレース」と呼び、奇数番目と偶数番目の2回に分ける場合は「2:1インターレース」となる。
また、完全に描画された画像の全体像を「フレーム」、各走査によって得られる部分的な画像を「フィールド」という。2:1インターレースで毎秒60回走査を行う場合、得られる映像は60フィールド毎秒、30フレーム毎秒(fps:frames per second)となる。
映像だけでなく静止画の記録形式などでもインターレース方式は用いられ、画素の記録・描画を端から順にではなく飛び飛びに行うことで、低速の回線や大きなサイズの画像でも素早くぼんやりと全体像を伝えることができる。GIF形式では「インターレースGIF」(interlaced GIF)、PNG形式では「インターレースPNG」(interlaced PNG)、JPEG形式では「プログレッシブJPEG」(progressive JPEG)がそれぞれインターレース方式で画像データを格納する。
ノンインターレース (non-interlaced/順次走査/プログレッシブスキャン)
表示装置や動作原理や映像表示方式の一つで、画像を毎回上端などの端から順番に描画していく方式を「ノンインターレーススキャン」(non-interlaced scan)あるいは「プログレッシブスキャン」(progressive scan)という。日本語では順次走査と訳される。
装置や伝送路の性能が高く十分な走査回数が得られるならくっきりとした鮮明な映像を表示できるが、走査回数に制約がある場合にはインターレース方式のほうが滑らかな表示が得られる。
例えば、画面全体を毎秒60回書き換えられるならば、奇数番目と偶数番目のラインを交互に60回ずつインターレース走査(毎秒120フィールド)にするより、毎秒60フレームのノンインターレース走査の方がチラつきや輪郭のぼやけがを抑えることができる。しかし、毎秒15回しか書き換えられない環境では、毎秒15フレームのノンインターレースでは動きがカクついてしまい、毎秒30フィールドのインターレースのほうが自然な映像となる。