読み方 : いんめんしょり
隠面処理【hidden surface removal】隠面消去/隠面除去
隠面処理とは?
次元グラフィックス(3DCG)の描画処理で、視点から見えない面や物体を描画対象から除外する手法。現実世界と同様に「手前の物体が奥の物体を隠す」という自然な見え方を再現する。

カメラや人間の目で立体的な場面を見るとき、ある物体の背後に隠れた別の物体は見えない。コンピュータ上で3次元のシーンを画像として描画・表示する際、この「遮蔽」を正しく表現しなければ、奥の物体が手前の物体を突き抜けて見えてしまう。隠面処理はこうした不自然な描画を防ぐための処理工程である。
代表的な手法の一つが「Zバッファ法」である。画面上の各ピクセルについて、そこに描かれる物体の奥行き(Z座標値)を記録しておき、新たな物体を描く際に既存のZ値と比較する。より手前にある場合だけ描画を更新することで、正しい前後関係を自動的に判定できる。実装が簡便なため現代のGPUに広く採用されている。
もう一つの手法が「Zソート法」「塗り重ね法」「ペインタアルゴリズム」と呼ばれる手法である。遠くにある物体から順番に手前の物体を上に重ね描きしていく方式で、「ペインタ」(painter:画家)の名称は油絵を描く工程に似ているに由来する。物体が互いに交差している場合や、遠近の順序が一意に決まらない場合には正しく処理できないことがあり、適用できる場面は限られる。
隠面処理は3DCG描画の基礎的な工程の一つであり、ゲームやシミュレーション、CADなど3D表現を用いる様々な分野で用いられる。描画品質と計算負荷のバランスを考慮して具体的な手法が選択される。一方、ワイヤーフレーム表示において隠れている辺を消去する(描画しない)処理を「隠線処理」(隠線消去/隠線除去)という。