リニアPCM 【Linear PCM】 LPCM / Linear Pulse Code Modulation
概要
リニアPCM(Linear PCM)とは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つで、信号の強度を一定周期で標本化(サンプリング)して得られたデータをそのまま記録するもの。PCM方式のうち最も単純で基本的な手法。アナログ信号の強度をサンプリング周波数に従って一定間隔で測定し、定められたビット数の範囲で整数値として量子化する。単にPCMといった場合はリニアPCMを指すのが一般的で、DPCMやADPCMなど前の標本値との差分を取る方式と対比される文脈でリニアPCMと呼ばれることが多い。
サンプリング周波数と量子化ビット数を高めるほど高品質のデータを得ることができるが、その分データ量は増大する。例えば、CDはステレオ2チャンネルの音声をサンプリング周波数44.1kHz(キロヘルツ)、量子化16ビット(2バイト)で記録しており、44.1kHz×2バイト×2チャンネルで毎秒176.4KB(キロバイト)のデータ量となる。
リニアPCMで得られたデータをそのまま記録すれば無圧縮の音声データとなり、可逆圧縮を行う方式に比べ音質の劣化が無い点が優れているが、保存や伝送に大きな容量や帯域が必要となる。PCM形式のデータを格納するファイル形式としてWindowsのWAVファイル(.wavファイル)が有名である。
(2018.12.11更新)