I2S 【Inter-IC Sound】
概要
I2S(Inter-IC Sound)とは、デジタル音声信号を伝送する標準規格の一つ。主に電子基板上で半導体チップ(IC)間の音声データ伝送に用いられる。正しい表記は「I2S」と「2」が上付き文字になっている。3本の信号線を利用し、ステレオ(左右2チャンネル)のPCMデータをシリアル伝送する。1本は伝送クロック信号(SCK:Serial Clock)、1本は左右のチャンネルを区別する信号(WS:Word SelectあるいはLRCLK:Left-Right Clock)を伝送し、データ本体は1本の信号線(SD:Serial Data)で伝送する。規格には無いが、もう1本の信号線を併用し、IC間の動作の同期をとるためのクロック信号(MCLK:Master ClockあるいはSCLK:System Clock)を伝送することもある。
1986年に当時の蘭フィリップス(Philips)社(現在のNXP Semiconductors社)が策定した仕様で、業界標準として広く普及している。オーディオ機能を持つ電子機器などの内部で、記憶媒体からデジタルデータを読み出すデコーダICと、スピーカーなどにアナログ信号を送出するD/Aコンバータ(DAC:Digital-Analog Converter)の間を繋ぐ用途などで標準的に用いられている。
(2021.7.21更新)