シェーディング 【shading】
概要
シェーディング(shading)とは、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)の描画処理の最終段階で、光の当たり具合などを勘案して各画素の色を変化させ、陰影付けを行うこと。シェーディング処理を行う演算回路やプログラムをシェーダー(shader)という。3DCGでは立体物を描画する際に、空間内に光を発する様々な光源が置かれる。各立体の表面に光源から入射する光や、方式によっては他の立体や面からの反射光などを当て、その効果によって面や面上の各点がどのように発色するかを計算し、最終的な描画像を得る。この工程をシェーディングという。
陰影付けを面単位で処理し、面全体を均一な色で塗る最も単純なシェーディング技法をフラットシェーディング(flat shading)という。最も計算量が少なく高速に処理できるが、場所によって光の当たり方の異なる大きな面が均一な色になったり、小さな面を組み合わせて曲面を表現しているのに面の境界線がくっきり描かれた角張った表現になってしまうなどの難点がある。
この欠点を補うため、ある頂点の色から別の頂点の色へ向かって途中の各点の色を滑らかに変化(グラデーション)させる「グローシェーディング」(Gouraud shading)や、各点の法線ベクトルを線形補間によって求めて光の反射を計算する「フォンシェーディング」(Phong shading)などの手法がよく用いられる。
また、アニメーションのセル画の塗り方に似た段階的な陰影付けを行う「トゥーンシェーディング」(toon shading)あるいは「セルシェーディング」(cel-shading)など様々な表現技法が提唱されている。
(2018.5.30更新)