YUV
概要
YUVとは、色情報の表現形式の一つで、輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分の差(U)、輝度信号と赤色成分の差(V)の3つの組み合わせで色を表現する方式。また、そのような形式で表される色空間。人間の目が色の変化よりも明るさの変化に敏感な性質を利用して、輝度情報により多くの情報量を割り当てることで、少ない画質の劣化で高いデータ圧縮率を得ることができる。テレビ放送の映像信号や、JPEG、MPEGなどの画像・映像データ圧縮に用いられる。コンピュータのディスプレイに表示するにはRGB形式による表現に変換する必要がある。
YUV9
YUV形式のうち、1ピクセル当たり9ビットのデータ量で色情報を表現する方式をYUV9という。最もデータ量が少ない形式で、4×4の16ピクセルの範囲から色情報を一つしかサンプルしない方式。8ビット量子化(256段階)を行った場合にピクセル当たり9ビットになるためこのように呼ばれる。
YUV12
YUV形式のうち、1ピクセル当たり12ビットのデータ量で色情報を表現する方式をYUV12という。YUV411とYUV420を含む総称。8ビット量子化を行った場合に4ピクセルで48ビット、1ピクセル当たり12ビットのデータ量になるためYUV12と呼ぶ。
YUV411
YUV12形式のうち、2×2の4ピクセルの中から輝度情報(Y)を4サンプル、輝度と青色成分の差(U)、輝度と赤色成分の差(V)をそれぞれ1サンプル採る方式をYUV411という。1ピクセル当たりのデータ量は12ビット。DV形式やMPEG圧縮などで用いられている。
YUV420
YUV12形式のうち、2×2の4ピクセルの中から輝度情報(Y)を4サンプル、上段の2ピクセルから輝度と青色成分の差(U)を1サンプル、下段の2ピクセルから輝度と赤色成分の差(V)を1サンプル採る方式をYUV420という。UとVはフレームごとに左右のピクセルを交互に選択する。1ピクセル当たりのデータ量は12ビット。
YUV422
YUV形式のうち、隣り合う2つのピクセルを1セットとして一部の情報を共有することにより、画質の劣化を防ぎつつデータ量を削減する方式をYUV422という。
輝度情報(Y)は各ピクセル独立に8ビットが与えられるが、輝度と青色成分の差(U)、輝度と赤色成分の差(V)は、それぞれ8ビットのデータを隣り合うピクセルで共有する。これにより、各要素8ビットの階調を維持しながら、2ピクセルで32ビット、1ピクセルあたり16ビットで色を表現している。
YUV444
YUV形式のうち、水平方向に連続する4ピクセルから、各ピクセル毎に輝度情報(Y)、輝度と青色成分の差(U)、輝度と赤色成分の差(V)をそれぞれ1サンプル採る方式をYUV444という。8ビット量子化を行った場合に4ピクセルで96ビット、1ピクセル当たり24ビットのデータ量になる。