HE-AAC 【MPEG-4 High-Efficiency AAC】 aacPlus / AAC+
概要
HE-AAC(MPEG-4 High-Efficiency AAC)とは、音声圧縮方式AACの拡張仕様の一つで、少ないデータ量(ビットレート)が選択された際の音質を改善したもの。「aacPlus」は開発元のコーディングテクノロジーズ(Coding Technologies)社による商標。AAC(Advanced Audio Coding)はMP3方式の後継として策定された、MPEG-2およびMPEG-4の動画に付随する音声を圧縮するための標準規格である。HE-AACはMPEG-4標準の一部として規定されたMPEG-4 AACの拡張で、128kbps以下の低ビットレート時の音質を改善している。
圧縮したい音声を、本来より低いサンプリング周波数でAAC圧縮し、その際にカットした部分の情報を同社のSBR(Spectral Band Replication)技術で符号化して付け足す。音質の低下を極力抑えつつ、本来のサンプリング周波数でAAC圧縮した場合より劇的にデータ量を削減できる。追加分の符号が分けて記録されており、AACにしか対応していない機器やソフトウェアでも音質は低下するが再生することはできる。
HE-AACの最初の仕様(HE-AACv1)は2003年に標準化され、2006年には改良版の「HE-AACv2」が策定された。v2仕様では48kbps以下の極めて低いビットレートでの音質を改善している。音楽配信サービスなどで利用されているが、特許技術を含むためAACほど広く利用されていはいない。
(2023.12.4更新)