メタボール 【metaball】

概要

メタボール(metaball)とは、3次元グラフィックスで曲面を表現する手法の一つで、球体など単純な曲面を持つ複数の立体を融合して、滑らかな曲面の表面を持つ立体を定義する方式。

立体を形作る素材となる球(2次元の場合は円)は半径や境界面が定義されたものではなく、ガス惑星のように中心に近いほど濃密になる濃度の分布関数として与えられる。

様々な濃度勾配を持つ球を空間中に近づけて配置すると、それらの間の空間には濃度が重なりあって外縁部よりも濃くなる部分が現れる。このとき、ある特定の濃度を持つ点を繋ぎあわせて面を定義すると、配置された球が滑らかな曲面で繋がった立体図形を構成することができる。

液体や粘性の高い物質の滑らかな変形や動きを表現する手法としてよく用いられる。3DCG作成・編集ソフトの中には、立体造形の雛形の一つとしてメタボールが用意されているものがある。

(2020.5.6更新)

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