アルファブレンド 【alpha blending】 αブレンド / アルファブレンディング
概要
アルファブレンド(alpha blending)とは、二つの画像を重ね合わせ、各画素ごとに設定された透過度(アルファ値)に基いて合成すること。透き通った素材を通して背後の色や光景が重なって見える表現が可能となる。透過度を透明・不透明の二値のみで表す方式の場合、前景画像の中で透明に指定された部分のみ背景画像の同じ位置にある画素を描画し、それ以外は前景画像の画素を描画する。GIF画像や8ビットPNG画像の透明色などがこの方式を用いる。
一方、透過度が「完全な透明」から「完全な不透明」まで段階的に設定可能な方式では、半透明に指定された部分は前景色と背景色を透過度に応じた割合で混色する。一般にアルファブレンドという場合はこの方式を指すことが多い。
各画素の透過度の設定方法としては、前景画像と同じサイズで透過度のみを設定した仮想的な画像データ(マスク画像)を別に作成する方式や、前景画像に含まれる特定の一色を透明色(クロマキー)に指定する方式、前景画像の各画素の色情報の一部として透過度を持たせる方式がある。
段階的に透過度を指定する場合、値が最小(0%あるいは0)のときに完全に不透明、最大(100%あるいは8ビットの場合255)のとき完全に透明になる方式を「透明度」あるいは「透過度」(transparency)、その逆(値が最大で不透明)を「不透明度」(opacity)と呼び分ける場合がある。一般によく用いられるのは後者の不透明度方式である。
画素の色情報の一部として透過度を格納する場合、これを「アルファ値」(alpha value)と呼び、アルファ値用に用意された記憶領域を「アルファチャンネル」(alpha channel)という。32ビットフルカラー画像では赤・緑・青の三原色(RGB)に各8ビット、アルファチャンネルに8ビット(0~255の256段階)で1ピクセルの色を表す。アルファ値は最大値が完全不透明となる不透明度とするのが一般的である。
(2021.12.29更新)