iモード 【i-mode】

概要

iモード(i-mode)とは、NTTドコモが加入者向けに提供しているインターネット接続を含む情報サービス。対応携帯電話を用いてWebサイトの閲覧やオンラインサービスの利用、電子メールの送受信などがえる。

端末の「i」を象った専用のボタンを押すと画面にポータルサイトのようなiモードメニューが表示され、様々な企業が提供する情報サービスを利用することができる。様々な提携企業から、ニュースや天気予報などのコンテンツや、チケット予約やインターネットバンキングオンラインゲームといったサービスが提供された。

公式サイトと勝手サイト

同社の審査基準を満たし契約を結んだ提携企業によるサイトはiモード公式サイトと呼ばれ、iモードメニューに掲載されるほか、同社による課金代行などを利用することができ、携帯電話向けの有料サービスを実現することができた。

また、技術的にはインターネット上のURLであればどこにでもアクセスすることができたため、同社に登録せず運用するiモード向け仕様のWebサイトWebサービスも登場し、俗に「勝手サイト」と総称された。課金代行などはできないが、誰でも自由に作れるため個人で制作する人もおり、広告収入などを得てビジネスとして展開する企業もあった。

インターネット標準の採用

同時代のWAP/HDMLのような携帯電話向けの独自規格とは異なり、すでにパソコン向けのインターネットで標準的に利用されていたHTTPHTMLといった技術を採用したため、提供者側の負担が少なく容易にiモード対応サイト構築することができた。

ただし、画面が狭く処理能力の低い携帯電話コンテンツを表示できるよう、通常のHTMLから仕様が縮小されたCompact HTMLが用いられている。また、パソコン向けのページでは表示可能な要素の中には非対応のものもある。

iモードメール

携帯電話向けの電子メールサービスとして「iモードメール」が提供され、加入者間で絵文字などを用いた独自形式のメールを送受信できるほか、インターネット上のメールアドレスともメールのやり取りが可能だった。加入者には「希望する文字列@docomo.ne.jp」のメールアドレスが提供された。

このように携帯電話事業者のドメイン名を用いてメールアドレスを取得し、端末から送受信できるメールサービスはiモード以外のサービスや他社でも広まり、現在では「キャリアメール」と総称されている。

歴史

iモードは1999年に開始され、2003年には加入者が4000万人を超えるまでに爆発的に普及したが、スマートフォンおよび対応サイトサービスの台頭により2010年頃をピークに衰退し、2016年末に対応端末の出荷が終了した。

開始当初は世界的にも先進的な事例だったため、日本発のモバイルインターネット事業の成功例として注目と称賛を集め、他社も次々に同種のサービスで後追いすることになったが、海外展開や技術の標準化などはあまりうまくいかなかった。

スマートフォン時代には米国勢が主導する規格や端末サービスなどが全世界で普及し、iモードは対応端末と共に「ガラパゴス化」(技術や市場が日本国内で特異な発展を遂げて世界から孤立すること)の典型事例として振り返られるようになった。

(2018.10.8更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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