MIDI 【Musical Instrument Digital Interface】
概要
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)とは、楽曲データの記述、保存、伝送などの方式を定めた標準規格の一つ。シンセサイザーなどの電子楽器やコンピュータを接続し、楽曲データを送信して自動演奏させるのに使われる。機器間を接続してデータを送受信するための端子(コネクタ)やケーブル、信号、伝送制御などの規格と、音色や音量の指定、演奏する音の並びといった楽曲データの記述形式、楽曲データを保存するファイル形式などを定めた規格があり、単に「MIDI」と言った場合は何を指しているのか文脈に注意する必要がある。
MIDIによる楽曲データは楽譜などと同じように楽器による演奏の仕方を記述するデータ形式であるため、音声そのものを録音して記録する形式に比べデータ量が少なく、変換や編集などで劣化することもないが、利用できる音は楽器や音源装置が発することのできるものに限られる。例えば、人が歌唱する声を記録・再生することはできない。
MIDI規格は当初、コンピュータなどで作成した楽曲データを電子楽器に伝送して自動演奏することを想定して作成されたが、後に、コンピュータに内蔵されたICチップやソフトウェア(MIDI音源と呼ばれる)で音を合成して発する仕組みも利用されるようになった。携帯電話の音楽再生機能などで広く普及したことから、一般にはこちらの方が馴染み深い。
最初のMIDI規格は1981年に日本音楽製造(現ヤマハ)、ローランド、コルグ、河合楽器など業界の有力企業が共同で策定した。後に業界団体として国内に「MIDI規格協議会」(JMSC:Japan MIDI Standards Committee、現・音楽電子事業協会)、国際団体として「MMA」(MIDI Manufacturers Association)が置かれ、規格の標準化と普及にあたった。2020年には最新版の「MIDI 2.0」が発行された。
(2024.6.19更新)