ドルビーデジタル 【Dolby Digital】 AC-3 / Audio Code number 3
概要
ドルビーデジタル(Dolby Digital)とは、米ドルビー・ラボラトリーズ(Dolby Laboratories)社が開発した、音声のデジタル圧縮・符号化方式の一つ。動画に付随する音声の記録・再生によく用いられる。音声をデジタルデータで表現し、離散コサイン変換(DCT)などの手法でデータ圧縮する。無圧縮のリニアPCM形式に比べ約1/10のデータ量に圧縮して記録することができる。サンプリング周波数は最高で48kHz、量子化ビット数は16ビットまで対応している。
1chのモノラル音声から、2chのステレオ音声、3chのステレオ音声(左右と中央)などの構成を選択でき、最大で6チャンネルを並列に記録・再生する5.1chサラウンド(フロント左右、センター、リア左右、サブウーファー)まで対応している。
1994年に発表された規格で、映像作品の音声記録方式として幅広く普及している。映画の音声システムの標準の一つとして利用されているほか、DVD(DVD-Video)やBlu-ray Disc(BD-Video)、ハードディスクレコーダー、XboxシリーズやPlayStationシリーズ対応のゲームソフトなどが標準で対応している。
主な拡張規格として、最大7.1chサラウンド(5.1チャンネルにリアスピーカーを1基あるいは2基追加)まで対応した「ドルビーデジタルEX」(Dolby Digital EX)および「ドルビーデジタルサラウンドEX」(Dolby Digital Surround EX、映画館用)がある。
他にも、ビデオゲーム向けに最適化された「ドルビーデジタルライブ」(Dolby Digital Live)、より高音質でデータ量の多い圧縮方式に対応した「ドルビーデジタルプラス」(Dolby Digital Plus)や「ドルビーTrueHD」(Dolby TrueHD)などの仕様があり、こうした新しい規格やこれらの規格群の総称をドルビーデジタルということもある。
(2023.9.9更新)