MPEG 【Moving Picture Experts Group】
概要
MPEG(Moving Picture Experts Group)とは、動画・音声データの圧縮方式の標準規格を検討するため、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)が1988年に合同で設置した専門家委員会。また、同委員会の勧告した規格群の総称。動画・音声データの圧縮方式の標準として広く普及している。正式な組織名は「ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11」。ISOとIECが情報技術分野の標準化を合同で行うために設けた第一合同技術委員会(JTC 1)の副委員会(SC:subcommittee)29番、作業部会(WG:Working Group)11番という意味である。
同じSC 29には静止画像の圧縮符号化方式を扱う「WG 1」があり、「JPEG」(Joint Photographic Experts Group)の通称でよく知られている。ちなみに、SC 29の国際事務局は日本の工業標準調査会(JISC)が務めている。
これまでに、動画データ圧縮方式の「MPEG-1」や「MPEG-2」「MPEG-4」、付随する音声圧縮規格の「MP3」(MPEG Audio Layer-3)などの標準を策定してきた。メディアデータの圧縮符号化方式だけでなく、動画を扱うためのファイル形式や送信データ形式、メタデータの記述方式などの標準も策定している。
国際電気通信連合(ITU-T)とも連携し、「MPEG-2」と「H.262」、「MPEG-4/AVC」と「H.264」、「HEVC」と「H.265」のように合同で同じ仕様を策定し、それぞれが規格番号を付して標準として発表している規格もある。
MPEG諸規格は国際標準として仕様が公開され、誰でも入手して製品などに実装することができるが、一部の規格には企業などの特許技術を含み、権利者に別途ライセンス料を収める必要がある。MPEG-2およびMPEG-4では権利者が合同で特許管理団体MPEG LAを運営しており、窓口が一元化されている。
(2020.7.4更新)