ワイヤーフレームモデル【wire frame model】

概要

ワイヤーフレームモデルとは、3次元グラフィックス(3DCG)やCADにおいて、立体図形を頂点とそれらを結ぶ辺のみで表現する手法のこと。面の情報を持たず骨組みのみを描画するため、データが軽量で処理負荷が低い。完成映像としてより、モデリング作業時の表示形式として使われることが多い。
ワイヤーフレームモデルのイメージ画像

立体を構成する頂点の位置情報と、頂点同士の接続関係によって形状を定義する。立方体であれば8個の頂点と12本の辺で表現でき、面や内部の質感、色彩は通常持たない。面を描画しないため線がすべて透けて見え、奥にある線と手前の線が重なって見える場合もある。

面を描画しない構造のため、データ構造は比較的単純で、描画に必要な計算量も少ない。ただし、面についての情報自体は内部的に保持し、隠れる部分の線を非表示にする「隠線処理」(hidden line removal)を行う場合がある。また、曲面を持つ形状については、網目状に配置した曲線によって表面の起伏を表すこともある。

コンピュータの処理能力や表示装置の性能が低かった時代には、ワイヤーフレーム表示そのものが完成画像や映像として利用されていた。初期のCADシステムやビデオゲームでも採用されていたが、現在では精細な描画技術が普及したため、演出上の効果やデータ容量の制約など特別な目的がある場合を除き、最終的な表示形式として用いられる機会は少ない。

一方で、3DCG制作やCADにおいては現在も重要な表示方法である。立体の形状を編集するモデリング作業では、面で覆われた表示よりも内部構造や頂点配置を確認しやすいため、編集画面でワイヤーフレーム表示が頻繁に利用される。複雑なモデルの構造確認や形状の調整、メッシュの状態の点検などにも用いられ、作業用の表示モードとして定着している。

3次元形状の表現方法には、ワイヤーフレームモデルのほかに「サーフェスモデル」や「ソリッドモデル」がある。サーフェスモデルは頂点と辺に加えて面の情報を持ち、物体の表面形状を再現できるため、映像制作やゲームの3Dグラフィックスで利用される。ソリッドモデルは物体を中身の詰まった立体として扱う方式で、体積や質量といった情報も扱えることから、機械設計や製造分野のCADシステム、3Dプリンタ用データの作成などに利用されている。

(2026.6.23更新)
 

他の辞典等による「ワイヤーフレームモデル」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ワイヤーフレームモデル」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
【令5修1/平25修7/平24修1】 CGに関する用語の説明として,適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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