MSAA 【Multi-Sampling Anti-Aliasing】 マルチサンプリングアンチエイリアシング
概要
MSAA(Multi-Sampling Anti-Aliasing)とは、3Dグラフィックス描画時などにアンチエイリアスを適用する手法の一つ。一つの画素(ピクセル)を複数に分割し、それぞれの位置における表示職を求めて平均する方式。コンピュータでは画面を色の付いた画素が縦横に規則正しく並んだ像として表現するため、物体の輪郭線などが斜めになっている部分では、前景色と背景色のコントラストが大きいと「ジャギー」(jaggy)と呼ばれる階段状のギザギザが生じてしまう。
MSAAはこれを軽減するアンチエイリアス技術の一つで、各ピクセルを複数のサブピクセル(例えば4つ)に分割し、それぞれの位置における深さ(奥行き)情報を算出する。深さに差がある場合、前景色(手前のオブジェクトの色)と背景色の色をブレンドして描画色とする。
例えば、ピクセルの描画色は前景色と算出されたが、そのピクセルはオブジェクトの輪郭にあり、4等分したサブピクセルの奥行き情報は2つがオブジェクト、2つが背景(にあるオブジェクト)だった場合、前景色半分と背景色半分をブレンドしてその画素の描画色とする。
各サブピクセルについて描画色を算出して平均するSSAA(Super-Sampling Anti-Aliasing)に比べサブピクセルごとに計算するのは奥行きだけであるため軽快に動作する。ただし、奥行き情報が必要なため3Dグラフィックス描画にしか適用できない点や、奥行きに違いがない同じオブジェクト表面のテクスチャ上などに生じたジャギーは取り除けないなどの制約がある。
(2023.10.29更新)