読み方 : ほしょく

補色【complementary color】

概要

補色とは色相環において互いに正反対の位置にある色の組み合わせ。また、ある色に対してその対極に位置する色のこと。補色同士を並べると互いの色が強調し合い、くっきりと際立って見える視覚的な効果がある。
補色のイメージ画像

色相環」(color circle)とは、光の波長の連続的な変化に対応する色味を円環状に配置したものである。可視光のうち波長が最も長い赤から橙・黄・緑・青・紫と順に並び、波長が最も短い紫の隣に赤を繋いで環を閉じる。この環の中心を挟んで正反対に位置する二色の関係を補色という。

補色の具体的な組み合わせは、採用する表色系によって異なる。絵の具や印刷物など光を反射する「減法混色」を基本とするRYB色相環やマンセル色相環では「赤と緑」「黄と紫」「青と橙」が代表的な組み合わせとして知られる。一方、液晶ディスプレイなど光を発する「加法混色」を基本とするRGB系では「赤とシアン(水色)」「緑とマゼンタ(薄紫)」「青と黄」が補色の関係となる。同じ「赤の補色」でも表色系によって色が異なるため、文脈に応じてどの体系を前提とするかを確認する必要がある。

補色の組み合わせは視覚的なコントラストが最大になるため、広告や標識、Webサイトのボタンなど、注意を引きたい箇所に用いられる。また、補色を長時間見続けた後に視線を別の場所へ移すと、元の色の補色が残像として現れることがある。これは「補色残像」と呼ばれ、視覚が色刺激に順応することで生じる現象である。

ただし、明度彩度がともに高い補色同士を直接隣り合わせると、境界部分がちらついたり輪郭が滲んで見えたりする「ハレーション」(halation)と呼ばれる現象が生じ、視認性や可読性が低下してしまうことがある。これを抑えるため、実際の配色では文字の縁取りなどで色の境界に白や黒などの無彩色を挟んだり、一方の明度彩度を落としたりする手法が併用される。

(2026.7.1更新)
 

他の辞典等による「補色」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。