エイリアシング 【aliasing】 折り返し雑音 / folding noise
標本化定理によれば、ある周波数の信号を正しく再現するには、その2倍を超える周波数で標本化(サンプリング)する必要がある。2倍以下の周波数で標本化すると、両者の周波数の差に相当する低周波の擬似的な信号が生成されてしまう。これをエイリアシングという。
音声の符号化でエイリアシングが起きると、原音に存在しない低周波の雑音(折り返し雑音)が生じる。人間の可聴域を超える超音波がエイリアシングにより可聴域の雑音になることがあるため、サンプリング前に高周波をカットする処理を行うことがある。
画像の場合は「モアレ」と呼ばれる周期的な模様(空間折り返し歪み)が生じたりする。動画の場合は、車輪やヘリコプターのローターなど高速回転する物体が本来とは異なる回転数(ゆっくり、静止、あるいは逆回転)に見えたり、本来肉眼では見えないLED光源などの高速な点滅、照明の明滅などが目視可能な周期で映し出されたりすることがある。
(2023.1.13更新)