グラフィック 【graphic】 グラフィックス / graphics

概要

グラフィック(graphic)とは、写真やイラスト、図形、記号、文字(タイポグラフィ)などの視覚的要素を組み合わせ、特定の目的や方針に基づいて平面上に構成された表現。また、コンピュータ上の画像や、その処理・出力のための機能。

主に出版や広告、ビデオゲームなどの分野で用いられることが多い用語で、単体の写真や絵画、あるいは文章などの文字情報と対比して、複数の表現技法や要素が混在していたり、図形的な要素が含まれていたり、デザインやレイアウトが施されたものをこのように呼ぶことが多い。

コンピュータを用いてそのような視覚表現を作成・編集することや、そのための手法や機能、能力、および生成された画像や映像のことを「コンピュータグラフィックス」(CGComputer Graphics)というが、これを略してグラフィックスということも多い。

なお、「グラフィック」と「グラフィックス」の違いはほぼ表記の揺れの範疇で、日本語の外来語としての明確な意味上の違いや使い分けなどは見られない。

一方、英語の “graphic” は「図」「図形」「絵」などを指す名詞の意味と、「図表を用いた」「図式的な」「写実的な」「生き生きとした」などの形容詞の意味があり、“graphics” は名詞の graphic の複数形を指す場合と、これとは別に「製図法」「視覚芸術(作品)」「(コンピュータ上の)画像」などを指す場合がある。

コンピュータのグラフィック機能

コンピュータの機能についての文脈では、画面や紙面に任意の図像を表示・印刷することができる機能をグラフィックということがある。

もともとコンピュータの視覚的な出力機能は、決まった大きさの格子状に分割された枠の中に、決まった種類や形状の文字や記号を打ち出すテキスト表示・印刷機能しかなかった。

これと対比して、画面や紙面を構成する微細な点である画素ピクセル)ごとに任意の色情報を指定して、写真や絵、図表、図形、動画などあらゆる種類の資格情報を展開できるようにしたものをグラフィック機能と呼ぶようになった。

現代ではハードウェアによるテキスト出力は廃れ、文字情報も任意のフォントやサイズ、位置取りなどを選べるようグラフィック機能を経由して出力するのが一般的となったため、単に画像処理(機能)を意味する用語として用いられることが多い。

(2019.7.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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