SBC 【subband codec】

概要

SBC(subband codec)とは、Bluetoothの音声伝送で標準採用されている音声圧縮符号化方式(コーデック)。低速な通信方式で再生できるようデータを大きく削減するため低音質だが、どの機器でも利用できる。

パソコンスマートフォン、オーディオ機器などとBluetoothイヤフォンやBluetoothスピーカーなどの接続に用いられる「A2DP」(Advanced Audio Distribution Profile)と呼ばれるプロファイルで用いられるコーデックの一つで、規格上対応が必須であるため、どの機器の組み合わせでも使用できる。

初期のBluetooth規格で利用できるよう、音声データビットレート(単位時間あたりのデータ量)は最高で330kbpsキロビット毎秒)となっている。「bitpool」(ビットプール)という独自のパラメータがあり、通信状況に応じてこれを変化させることで動的に音質とデータ量を上下させることができる。

通常はbitPoolは最高が53(約330kbps)で、周囲の機器からの電波干渉がある場合など、通信品質が悪い場合はこれを引き下げてデータ量を減らし、再生が途絶えないようにする。概ね20以上あれば音楽を楽しめるレベルとされ、10~20FMラジオ程度、10以下がAMラジオ程度とされる。

SBCはA2DP規格で対応が必須とされているため、特許技術など開発元との個別の契約や費用の支払いが発生する技術の採用は見送られている。アルゴリズムソフトウェアは公開されており、送信側、受信側ともに無償で自由に対応させることができる。近年ではSBCに加え、より高音質なAACaptXLDACといったコーデックに対応する製品が増えている。

(2022.1.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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