サンプリング【sampling】標本化

概要

サンプリングとは、対象全体の中から何らかの基準や規則に基いて一部を取り出すこと。統計調査などで少数の調査対象を選び出すことや、信号のデジタル化などで一定周期で強度を測定することなどを指す。

アナログ信号のサンプリング

信号処理の手法の一つで、アナログ信号などの連続量の強度を一定の時間間隔で測定し、観測された値(標本値)の列として離散的に記録することをサンプリングということが多い。デジタルデータとして記録したい場合は、値を整数などの離散値で表す「量子化」(quantization)処理が連続して行われる。

測定の間隔を「サンプリング周期」(sampling cycle:標本化周期)、その逆数である測定の頻度(単位時間あたりの回数)を「サンプリング周波数」(sampling frequency:標本化周波数)という。頻度の多寡は通常サンプリング周波数で表現され、単位として1秒あたりの回数を表す「Hz」(ヘルツ)が用いられる。

例えば、音声を44.1kHz(キロヘルツ:Hzの1000倍)でサンプリングする場合、音声信号の強度を毎秒4万4100回記録し、音声データを1秒あたり4万4100個の数値の列として表現する。44.1kHzは人間の可聴音をほぼカバーする周波数とされ、CD(コンパクトディスク)などの音声記録に用いられている。

統計・調査におけるサンプリング

統計や調査などの分野では、調査したい母集団全体を対象とすることが困難な場合に、集団を代表する少数の標本を抽出して対象とし、その結果から統計的に母集団の性質を推計する手法をサンプリングという。製品の出荷時検査や社会調査などで広く用いられ、標本から母集団の推定値を算出する方法や偏りのない標本の抽出方法などについて様々な手法が提唱されている。

音楽におけるサンプリング

音楽の分野では、楽曲の制作手法の一つで、既存の楽曲や何らかの音源からメロディや歌詞、あるいは音声そのものの断片を抽出し、引用したり繋ぎ合わせる技法をサンプリングという。また、録音した楽器の音や環境音、人や動物の声などを短い単位に分解し、再構成して楽曲に仕上げる手法のことをサンプリングということもある。

他の辞典等による「サンプリング」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「サンプリング」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
【令7修12】 システム監査における,サンプリングに関する用語の説明のうち,適切なものはどれか。
【令4修12/令1修12/平30修6/平29春】 音声などのアナログデータをデジタル化するために用いられるPCMにおいて,音の信号を一定の周期でアナログ値のまま切り出す処理はどれか。
【令2修12/平31春/平29修12/平28秋/平27修7/平26修1/平23秋/平21秋】 音声のサンプリングを1秒間に11,000回行い,サンプリングした値をそれぞれ8ビットのデータとして記録する。このとき,512×10 6 バイトの容量をもつフラッシュメモリに記録できる音声の長さは,最大何分か。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。