プリミティブ【primitive】

概要

プリミティブとは、複雑な構造や処理を組み立てる際の基礎となる、単純で分解不要な最小単位の構成要素を指す語。IT分野では3次元グラフィックス(3DCG)の基本図形、プログラミングの基本データ型、暗号技術における基礎技術などを指す用語として用いられる。

「プリミティブ」(primitive)は、原始的な、根源的な、未発達な、素朴な、原形といった意味を持つ英単語である。IT分野では、抽象化された機能や複合的な構造に対して、その下位にある単純な構成単位を指す語として使われる。

3Dモデルのプリミティブ

3DCGでは、複雑な図形をモデリングする際の構成要素として用いられる単純な図形を「プリミティブ」と呼ぶ。利用できる図形はソフトウェアにより異なるが、立方体や直方体、球、円柱、円錐、トーラス(ドーナツ型)などの種類がある。各プリミティブはモデリングの初期形状として利用され、拡大・縮小や回転、移動などを行うことができる。利用者はこれらの基本図形を配置し、変形や結合、切り抜きなどの加工を繰り返すことで、建物やキャラクターといった複雑な立体オブジェクトを形作る。

データ型のプリミティブ型

プログラミングの分野では、言語の仕様としてあらかじめ用意されている最も基本的なデータ型を「プリミティブ型」(primitive data types)と呼ぶ。整数を扱う整数型、小数を含む数値を扱う浮動小数点数型、真(True)か偽(False)かを扱うブーリアン型(論理型)などの種類がある。これらは言語処理系が直接サポートする型であり、他のデータ型を組み合わせて定義する必要がない。

プリミティブ型は、配列や構造体、クラスといった複雑なデータ構造を構成するための基礎となる。多くの言語ではプリミティブ型はメモリ上に値そのものを直接格納する設計が採られ、複数のデータを組み合わせたオブジェクト型や参照型とは格納方法が異なる。例えば、Javaではint型やboolean型などがプリミティブ型として扱われ、オブジェクトとして扱われる参照型とは異なる仕組みでメモリに格納される。

暗号技術のプリミティブ

暗号技術の分野では、認証や暗号化を行うプロトコルなど複合的な応用方式を構築する上で機能要素として用いられる、単一機能の基礎的な暗号関連技術を「暗号プリミティブ」と呼ぶことがある。共有鍵暗号アルゴリズム、公開鍵暗号アルゴリズム、デジタル署名アルゴリズム、暗号学的ハッシュ関数、乱数生成アルゴリズムなど、個別のアルゴリズムなどがこれに含まれる。

(2026.6.26更新)
 

他の辞典等による「プリミティブ」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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