読み方 : ひょうほんかていり

標本化定理【sampling theorem】サンプリング定理

概要

標本化定理とはアナログ信号をデジタル信号に正確に変換するには、元の信号に含まれる最高周波数の2倍を超えるサンプリング周波数標本化すればよいことを示した定理。デジタル化後のデータから元の波形を完全に再現できる条件を与えるもので、1928年にハリー・ナイキストが理論の基礎を示し、1949年にクロード・シャノンが数学的に証明した。
標本化定理のイメージ画像

アナログ信号をデジタル化するには、一定の周期で振幅を計測して離散値に変換する「サンプリング」(標本化)処理を行う。その頻度を示すサンプリング周波数が高いほど元の波形を精度よく記録できるが、その分デジタル化後のデータ量は増大する。

標本化定理は、元の信号の最高周波数の2倍を超えるサンプリング周波数で記録すれば、デジタル化されたデータから元のアナログ信号を理論上完全に再現できることを示した定理である。例えば、音楽CDは44.1kHzサンプリング周波数を採用しているが、これは人間の可聴域の上限とされる約20kHzの音声を正確に再現するために、その2倍をわずかに超える値として設定されたものである。

言い換えれば、デジタル化された信号からはサンプリング周波数の半分までの周波数しか正確に復元できない。この再現可能な最大周波数を「ナイキスト周波数」(Nyquist frequency)という。これを超える成分が元の信号に含まれている場合、本来存在しない低周波の信号として記録されてしまう。この現象を「エイリアシング」(折り返し雑音)といい、音の歪みや画像のモアレといったノイズの原因となる。エイリアシングを防ぐ為、実際のデジタル機器ではサンプリング前にローパスフィルタを通してナイキスト周波数を超える成分を除去するのが一般的である。

(2026.7.6更新)
 

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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