標本化定理 【sampling theorem】 サンプリング定理

概要

標本化定理(sampling theorem)とは、アナログ信号をデジタル信号に正確に変換するには、元の信号の最大周波数の2倍のサンプリング周波数標本化すればよいことを示した定理。

アナログ信号をデジタル化するには、一定の周期で振幅を計測して離散値に変換するサンプリング標本化)処理を行う。この周期が短い(サンプリング周波数が高い)ほど、より高い精度で元の波形を記録することができるが、その分だけデジタル化後のデータ量は増大する。

どの程度のサンプリング周波数で記録すれば正確に元の波形を再構成できるかを示したのが標本化定理で、元の信号に含まれる最も高い周波数の2倍を超えるサンプリング周波数なら、デジタル化された後のデータから元のアナログ信号の波形を正確に再現できることを示している。

これは、デジタル化された信号からはサンプリング周波数の半分の周波数までの信号しか正確に復元できない、と表現することもできる。この再現可能な最大周波数(サンプリング周波数の半分)のことを「ナイキスト周波数」(Nyquist frequency)という。

(2020.4.12更新)

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